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能面のことを「面(めん)」とは言わずに「面(おもて)」と言います。能面を作る事を「面(おもて)を打つ」と言います。
「打つ」という言葉には「全身全霊」を打ち込むという気持ちが込められているからです。
また、能役者は「面をかぶる」とは言わず、「面(おもて)をかける」と言います。「かける」という言葉からは「能面に演目のすべてを賭ける」という能役者の「能面」に対する強い気持ちが伝わってきます。
静寂の中の「鏡の間」で能面に対し尊敬と敬意を持って一礼し、精神を打ち込み、気を統一し「面(おもて)をいただきます」。能役者の「心」と「面」が一体となり物語の主人公に変身し「幽玄の世界」へ溶け込んでいきます。